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アカデムゴロドク

活気戻る科学都市「シベリアの頭脳」

読売 04/13 22:25 活気戻る科学都市「シベリアの頭脳」
 ロシア・西シベリア地域に世界で最初に建設された科学都市がある。「シベリアの頭脳」と呼ばれる科学者の町、アカデムゴロドク。一九六二年から各種の科学系研究所が活動を始め、四十年近くにわたってロシアの先端技術開発を担ってきた。ソ連崩壊後は人材流出で一時衰退したが、最近になって若手研究者を中心に活気が戻りつつある。
 (ノボシビルスクで、花田吉雄、写真も)

◆つくば学園都市のモデル◆
 シベリア最大の都市ノボシビルスクから、針葉樹林帯(タイガ)を車で四十分。森の中からぽっかりと巨大な建物群が姿を現す。
 ソ連政府は第二次大戦直前、ナチスドイツの侵略に備え、モスクワなどから当時のハイテク産業をノボシビルスクに集中疎開させた。その後、一九五七年、この産業基盤を背景に、郊外の林野を切り開き、シベリア地域の経済発展を支える研究拠点・アカデムゴロドクを建設。全ソ連邦から優秀な研究者を集めて基礎科学分野での研究に従事させる一方、理数系の秀才を発掘し、英才教育機関で養成するシステムを確立させた。つくば研究学園都市はこの都市をモデルにして建設された。
 現在も残る研究機関は合計三十。町並みはソ連時代の栄光をとどめるが、建物はさび付いた感じで内部は薄暗い。国家の財政支援はソ連時代の五分の一にまでおちこみ、人口も最盛期五万人が、四万人に減った。今も研究者が年間約百五十人程度、米欧、イスラエルなどに流出しているという。

◆若者ベンチャーに期待◆
 そんな衰退の歯止めになると期待されているのが、若者だけの企業だ。
 ソフトウエア開発会社「ノボソフト」もその一つ。「我が社は、従業員に祖国を離れたい気持ちにはさせない」と、最高経営責任者(CEO)のセルゲイ・コワリョフさん(28)は自信たっぷりに語った。
 ソ連崩壊直後の九二年、アカデムゴロドク内にある名門ノボシビルスク大学在籍中に友人五人で会社を起こした。低賃金による低コストが売りで、やがて米国進出。今年二月には、携帯電話ソフト開発の国際コンペで優秀賞に選ばれるなど着々と実績を重ねている。スタッフ五百人のうち半数は同大の現役学生だ。
 ソ連時代の国家丸抱えから、経済的自立に成功した研究機関もある。無機化学研究所は、インド、米国、ドイツ、日本などの各企業から委託研究・開発を引き受けた結果、予算の七割を自ら稼ぎ出す。フョードル・クズネツォフ所長は、「おかげで研究員の給与は他の研究所に比べ一・五倍」と胸を張った。

◆ソロス氏援助で通信網整備も◆
 九五年には米投資家ジョージ・ソロス氏が資金援助し、世界的な情報通信革命に乗り遅れないための高速通信網整備も始まった。またプーチン大統領は昨年十一月に同地を訪れ、「科学者が祖国に戻れるよう、科学の威信を復活させなければならない」と、基礎科学分野への国家予算の増額を約束した。
 もっとも少数の企業、研究所だけでは、この都市全体の衰退は救えないようだ。無機化学研究所と提携している東北大学から派遣されている塩谷昌史・東北アジア研究センター研究員は、「国際的競争力がある研究所だけが生き残る」と述べ、積極的に海外に売り込みを図り開発実績を上げていかないと、人材流出は今後も続くと予想している。[読売新聞 / 2001-04-13-22:25]

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